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みんぎりまわり

令和2年度

1月 堀田裕子 先生

 先日、健康診断に行ってきました。若い頃は何の不安もなくただ義務的に受けていた検診も、歳を重ねると少しずつ自信が薄れ「どこにも異常がありませんように」と半ば祈るような気持ちで受けるようになりました。
 「笑いヨガ」なるものが、昨今流行しつつあるようで、人間は笑うことによって、ガン細胞を抑制する作用があると聞きました。それならば、私は毎日保育園の子ども達から、沢山の笑いと元気を貰っているので大丈夫と自負していたのですが、それでも胃カメラの内視鏡検査の前は嫌で嫌で、とてつもなく心拍数が上がり、検査を終えた後には、なんとも言えない疲れが・・・
 そんなこんなで検診も終わり、頂いたお食事券を近くのおうどんやさんで使うことにした私。そこはとても小さなお店で、老夫婦が営まれている昔ながらのお店のようでした。絶食後の食事だったので、空腹にやさしいお出汁の味が染み渡ります。美味しく頂いたあと、フッっと一息ついたとき、店主のおじいさんが「検診お疲れさまでしたね。」と一筆箋に飴玉を添えてテーブルにそっと置いていかれました。そこには、読めない位達筆に書かれたメッセージがしたためられていました。予想外の出来事に、ただただ驚きましたが、その時とてつもなく心が震えたのです。       
 メッセージの内容は、コロナ禍の1年でしたが、自愛しながらこの逆境を乗り越えていきましょう。そして来る年が平穏な年でありますように・・・というような内容でしたが、とてもあたたかい気持ちになりました。今日初めてお会いした方だったのに、心のこもった手書きのメッセージに、心の底から感謝しました。その一筆箋は、今もお守りのように大切にとってあります。
 人の心を震えさせ動かせるのは、やっぱり人の心だったんだということをしみじみと感じさせられた出来事でした。来年の検診の後も、あのお店を訪れてみようと思っています。おじいさんの優しい笑顔を脳裏に浮かべながら・・・。

次は、金谷あすか先生です。
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